むなかたの碇星

宗像ならではの星空の世界

むなかたの碇星について

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 2015年12月9日 午前5時 北斗の水汲み公園にて(松本篤さん(宗像市在住)撮影)

ウェブサイト立ち上げ2015年11月7日
更新:2016年05月12日


< 趣  旨 >

「むなかたの碇星」は、福岡県宗像市をはじめとする北部九州の海岸において、この地ならではの星空の楽しみ方を提案するものです。

北に海が広がる宗像。
そこに輝く「碇星」を眺めてみませんか?

宗像にある風景を星空と共に楽しみましょう!


これまでこのウェブサイトは、「提案」と「その実証」に趣を置いておりましたが、その確認を行うことができましたので、これからは「提案」として記載します。(2016年5月12日)

 

< 解 説 >

■「碇星」について

(C)ステラナビゲータ/アストロアーツ

 北極星を探すときの星の目印として、北斗七星と共に知られているのが「カシオペヤ座」です。Wの星の結びでご存知の方もいらっしゃると思います。日本ではこのWの星の結びを「碇星(いかりぼし)」と呼んでいた地方があります。瀬戸内・北陸や東北の一部で呼ばれていた名称で、九州では宮崎県延岡市で言い伝えが確認されています(参照)
比較的日本の広い地域で呼ばれていたようです。Wの結びを碇に見立てたところが、四方を海に囲まれている日本ならではの発想で、個人的には大変好きな星の並びの名称です。
カシオペヤ座が「碇」で、北極星まで綱が伸びている姿を想像して見てください。

「いかりぼし」 は、2012年発効の特殊切手「星座シリーズ第2集」において切手になりました。
この中では「いかりぼし」だけが、日本古来の星の呼び名の切手となっており、比較的一般的なものとして取り扱っています。
このデザインを記憶されている方も多いのでは?

■カシオペヤ座について

ヘベリウス星座絵より

 カシオペヤ座は、「秋に見やすい星座(秋の星座)」として見ることができます。オリオン座ほどではありませんが、比較的知名度が高く、「学校で北極星を探すときの星の並びで習った!」と記憶されている方も多いようです。(でも実際はそのように北極星を探すことはちょっと難しい気がします・・・個人的には)ギリシャ神話では、「エチオピア王家物語」の登場人物の一人で、ヒロインのアンドロメダ姫の母親(王妃)として登場します。

★カシオペヤ座の特徴として
1.星の並びが比較的覚えやすい。
2.なんとなく魅力的な名前の響き。列車やバンド名に採用された。(例:カシオペア)
3.日本の多くの地方では、「周極星」といって、カシオペヤ座は一日中沈まない星なのです。

■周極星って何?

太陽や月は、地球の自転によって、東から西へと動きます。もちろん星も同様ですが、太陽・月とは違い、星は空に無数にあるため、沈まない星があるのです。

(C)ステラナビゲータ/アストロアーツ

 星の動きの軌跡です。地球の自転軸は北極星を向いています。そのため、北極星を中心に星は(北極星を正面にした場合)反時計回りに回転していることになります。大半の星は沈みますが、北極星とその周辺の星は地平線下に沈みません。これを「周極星」と呼んでいます。

 

(C)ステラナビゲータ/アストロアーツ

つまり北の空を見ると、このようにギリギリ沈まない星があるわけです。その一つが「むなかたの碇星」です。


< むなかたの碇星には、2つの楽しみ方があります >

1.水平線ぎりぎりの状態にある「水平線のむなかたの碇星」
(極めて困難)

2.海の上に輝く「むなかたの碇星」
(お気軽に楽しめます)


■楽しみ方1:「水平線のむなかたの碇星」

周極星の範囲については地域によって変わります。北に行けば行くほど、北極星の位置は高くなり、沈まない星が多くなります。極端ですが、北極点に行けば北極星が頭上に輝くため、すべての星は沈みません。では、今日の題材である「宗像」と「碇星(カシオペヤ座)」はどうでしょうか。

(C)ステラナビゲータ/アストロアーツ 拡大図は ここから ダウンロードしてください。

 天文業界では誰もが使うといっても過言ではない天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」を使います。
場所は宗像市内にある「北斗の水汲み公園」東経130度30分5秒 北緯33度51分10秒 標高は0mとしました。

 カシオペヤ座がもっとも北の空ギリギリを通過する星が「シェダル」で、明るさはおよそ2等星です。この星が真北を通過する時の水平線からの高さは、0.899度!(大気差補正の数値(大気による浮き上がり現象))1度を下回っていますが、水平線より上に見えています。

(C)ステラナビゲータ/アストロアーツ

 碇星が水平線上でギリギリ沈まない場所を調べてみると、どうも日本では、宗像から北九州市、愛媛県の一部、長崎県壱岐市の一部地域に限定されるようです。(もちろんシチュエーションによっては他地域にもあると思います)これ以上北になると、碇星が高くなり、南になると完全に沈みます。 このギリギリ感を眺めるのが「むなかたの碇星」なのです。

宗像は北に海岸線が広がってる場所があり、緯度の兼ね合いからも絶好のロケーションと言えます!

※1.これだけ低い星は、雲や水蒸気・漁船の漁火・黄砂やPM2.5の影響により、肉眼で見ることは非常に難しいです。

※2.撮影例の場所として「北斗の水汲み公園」としていますが、ここは北には地島があるため見ることができません。この場所より少し外れた場所で見る必要があります。

この状態を「水平線のむなかたの碇星」とします。

■「水平線のむなかたの碇星」の定義について

1.カシオペヤ座「シェダル」(αCas)が北に位置する時の高度が1度以内であること。
2.カシオペヤ座のWの星の並び(5つの星)が見えていること。
3.宗像市内であること。(領海内なら可)
4.海の上に、カシオペヤ座のWの星の並びが輝いていること。以上の4つとします。

なお写真撮影したものについては『水平線のむなかたの碇星』の写真とします。

 しかし、地球の歳差運動により、2037年にはシェダルの高さは1度を超えてしまいます。『水平線の「むなかたの碇星」』がみられるは、あと20年あまりしかありません!ぜひ今のうちにお楽しみください。


■楽しみ方2:「むなかたの碇星」

(C)ステラナビゲータ/アストロアーツ 拡大図は ここから ダウンロードしてください。

 「水平線のむなかたの碇星」から約2時間後、カシオペヤ座「シェダル」(αCas)の高さが4度ほどになります。これでもまだ少し条件は厳しいのですが、天候さえ良ければ撮影は充分に可能であることが確かめられています。また、これほど低くなくとももう少し高度があがることで、充分に宗像の星空に輝く碇星を楽しむことができます。

この状態を「むなかたの碇星」とします。

 

■「むなかたの碇星」の定義について

1.カシオペヤ座が北の低い空にあること。(「低い」の定義は個人の感性にお任せします)
2.カシオペヤ座のWの星の並び(5つの星)が見えていること。
3.福岡県内であること。(領海内なら可)
4.風景の中に水平線(海)があること

以上の4つとします。

なお写真撮影したものについては『むなかたの碇星』の写真とします。

 


<見ごろはいつ?>

● 水平線のむなかたの碇星

5月の始めごろ(ゴールデンウイーク)
5月5日ごろは22時4分ごろが、カシオペヤ座「シェダル」(αCas)のもっとも低い時間です。
祝日だと漁船の出漁が少なく、集魚灯が邪魔になる確率が少なくなります。

● むなかたの碇星

5月の始め~6月の始めごろ
5月の始めは一晩中、6月の初めごろは夜半くらいまで

と、考えられます。もちろん、3月、4月の遅い時間でも良いのですが、以下の条件を考えて「見頃」とさせていただきました。

1.気候が安定している。(冬は晴れる確率が少ない。6月以後は梅雨。GW頃は比較的天候の状態が良いなど。)
2.春霞(黄砂・PM2.5など)の影響が比較的少ない。
3.気温が温かい。(気温が寒いと見るのが大変)
4.見やすい時間帯であること。
といった条件をもとに見頃としました。

碇星(カシオペヤ座)は「秋に見やすい星座(秋の星座)」のため、秋頃は空高いところに昇ってしまいます。
「むなかたの碇星」は、海と碇星のコラボレーションを重視しています。

GWあたりから「むなかたの碇星」にトライしてください!
特に『水平線のむなかたの碇星』は、2037年までの勝負です!


<むなかたの碇星 写真と検証>

 2016年、「むなかたの碇星」について、何度か撮影を試みて実証を積み重ねてきました。そのレポートはfacebookにアップしています。

● 水平線のむなかたの碇星

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拡大写真は ここを クリックしてください。

2016年5月11日 基準星「シェダル」の高度が一番下がる状態(北中)の「水平線のむなかたの碇星」の撮影に成功しました。

撮影日:2016年5月11日21:40:06(シェダル北中高度0.923度)
撮影場所:宗像市鐘崎 国民宿舎「ひびき」前
カメラ:PENTAX K-x
レンズ:SMC PENTAX-M ZOOM 1:2.8 35mm-1:3.5 70mm
70mm開放で撮影
感度:ISO800
露出時間:30秒
Photoshopにて現像処理

気温:11.1度 風速0.4m東(宗像)
現地気圧:1012.0hPa 海面気圧:1013.8hPa 湿度81%(福岡)
PM2.5:8マイクログラム/㎥
月齢:4.3 撮影時:月あり
漁船:多数(幸い北に集魚灯なし)

詳細は こちら をご覧ください

但し、この状態を肉眼で観察することはできませんでした。
双眼鏡を使うことで「シェダル」以外の星は観測することができます。

※ 5月12日 松本篤さんが、さらに素晴らしい「水平線のむなかたの碇星」の撮影に成功しました。
写真はfacebook こちら でご覧になれます。

 

● むなかたの碇星

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拡大写真は ここを クリックしてください。

2016年5月4日 基準星「シェダル」がギリギリ地島から見え始めた「むなかたの碇星」の姿です。

撮影日:2016年5月4日23:03:51
撮影場所:宗像市 北斗の水汲み公園
カメラ:CANON EOS M3
レンズ:24mm F4.0
感度:ISO2000
露出時間:30秒
Photoshopにて現像処理

気温19.6度 風速3.7m南西(宗像)
現地気圧:1011.8hPa 海面気圧:1013.5hPa 湿度32%(福岡)
PM2.5:22マイクログラム/㎥
月齢:26.7 撮影時月なし
漁船:ほぼなし

この時、「水平線のむなかたの碇星」の撮影は失敗

北斗の水汲み公園では、地島と碇星のコラボレーションが楽しめることを確認しました。
もう少し時間が経つとさらに楽しむことができます。

その他の写真はfacebookをご覧ください。

 


<提案資料を作成しました>

提案資料を作成しました。ここからダウンロードしてください。(PDF形式1.4MB) 2016年5月12日作成
なお、この資料は随時更新します。ご了承ください。


<趣旨にご賛同いただける方について>

趣旨にご賛同いただける方は、メールにてご連絡ください。
メールアドレスは  osamu.katou@nifty.com です。


<FACEBOOKのグループを立ち上げました>

FACEBOOKのグループを作りました。「むなかたの碇星」は こちら です。
情報交換・写真撮影結果は FACEBOOKで行っています。
宗像や周辺地域もちろん、どの地域の方も広くご参加いただけます。皆様ご参加お待ちしております!


「むなかたの碇星」発起人

発起人:加藤 治 福岡県宗像市在住

免責事項:このウェブサイト・関係資料の閲覧または閲覧障害もしくは当サイト・資料の情報に依拠したことに関連して生じた損害については、
提案者(加藤 治)は、一切責任を負いません。


更新履歴

2015.12.9  TOPページの画像を松本篤さん撮影の写真に変更しました。
2015.11.15 名称を変更しました。「むなかたの錨星」→「むなかたの碇星」
2016.03.22 撮影成功 水平線上の「むなかたの碇星」のページを追加しました。ウェブサイト全面更新
2016.05.01 写真を追加しました。
2016.05.04 写真を追加しました。
2016.05.12 具体的な提案として文章を変更しました。